tkchy blog

大手メーカー系JTCのプロダクトマネージャー。日々の仕事や自己研鑽で学んだことや、シンプルライフの実践などを記録していきます。

『どうなったらプロジェクトが成功したと言えるのだろうか?』を考えてみる

はじめに

 IT系の資格取得に関する記事しか未だ投稿していなかったので、今回はプロダクトマネージーャよりの記事を書いてみたいと思います。

 プロダクトマネージャーの仕事を一言で述べるとしたら、「プロダクトを成功させること」に尽きると思います。ただし、私がおよそ7ヶ月間プロダクトマネージャをやってきて、『どうなったらプロジェクトが成功したと言えるのだろうか?』についてを、恥ずかしながら未だ具体化することができていません。これまでを振り返りながら書いてみたいと思います。

プロジェクトの始まり

 今年の1月にプロジェクトが始まり、スクラム開発におけるプロダクトオーナーを担当している私ですが、『どうなったらプロジェクトが成功したと言えるのだろうか?』についてをプロダクトマネージャを担当し始めの頃はあまり深く考えていませんでした。実際のところ、プロジェクトの始めに事業部門と一緒に、ユーザーストーリーマッピングで構想するシステムの全体像や機能を洗い出し、ファーストリリースでどこまでの機能が必要かを線引きしていたので、リリース目標である今年10月までにその必要機能の開発が完了して顧客へリリースできる状態になっていれば、プロジェクトは“成功”と言えると思っていました。

前職までのバイアス

 私は前職まで産業機械設備(ハードウェア)の開発設計に携わっており、決められた納期までに決められた品質の製品を完成させることに適した開発手法であるウォーターフォール型のプロセスしか知りませんでした。新製品の開発には各ステップで評価会やテストが多くあり、それら全てをクリアした場合に市場投入できるというもので、簡単に言えばそれらの関所を突破して納期通りにリリースすることが出来ればプロジェクトは”大成功”と言っていました。

 今思うと、ウォーターフォール開発のプロセスしか携わった経験がなく、システム開発に対して請負開発のイメージが強かった私だったので、最初にそう考えてしまっていたのは仕方がなかったのかなと思います。

そもそも「プロジェクトの成功」と「プロダクトの成功」は一緒なのだろうか?

 製造業で置き換えてみると、「新製品の開発プロジェクトの成功」と「新製品の成功」であり、同じことでは?と思っていました。  しかし、よくよく調べてみると、”プロダクト”は”プロジェクト”を内包する概念みたいで、”プロジェクト”とは、ある目的のもと、品質・費用・納期のQCDを管理しながら開始時期と終了時期が定義されています。一方、”プロダクト”にはプロジェクトで必須になる終了時期があらかじめ定められておらず、複数の”プロジェクト”を繰り返しながら”プロダクトの成功”のために価値を提案し続ける、終わりのない活動であるとのこと。

 ということは、「プロジェクトの成功」を考える上で、まず「プロダクトの成功」についてを考える必要があるということを知りました。

プロダクトの成功とは?

 私が日々のPM業務のなかで教科書としていつも読んでいる“プロジェクトマネジメントのすべて”の中では、プロダクトの成功を定義する3要素として、以下が定義されていました。

  1. ビジョン

  2. ユーザー価値

  3. 事業収益

では、私がいま担当しているプロダクトで、3要素それぞれがどこまで具体化できているかを見ていきたいと思います。

(次回へ続く)

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