JTC企業でのDX推進の本質はパーセプションチェンジ・クリエイト。で、最近やってみていること
はじめに
大手メーカー系のJTC企業のDX推進の専門組織で、エンドユーザー向けWebアプリケーションのプロダクトマネージャーをやっているtkchyです。
具体的には、出島戦略型のDX組織で、複数の事業部門のDX推進を支援しており、その事業部門のお客様であるエンドユーザー向けにプロダクト開発を行っています。
今回はそのような組織のなかで、JTC企業のDX推進に取り組んでいる私自身の経験を踏まえ、JTC企業のDX推進において大切だと感じていることと、最近やってみていることを簡単に書いてみようとと思います。
JTC企業でのDX推進の本質とは
特にJTC企業では、未知のモノやコト、変化を受け入れず、現状維持を望む心理作用である、現状維持バイアスが強く働くと思います。
JTC企業に限らず、そもそも、DXでは2つの変革が必要と言われています。
- ①提供価値の変革
- ②組織の変革
②の”組織の変革”はまさにですが、①の”提供価値の変革”についても、組織の外側に変革した価値を提供し続けるためには、「組織の内側を変える」ことが必要不可欠です。
JTCでのDXとは、「組織の内側を変えること」であり、さらには「組織の内側にいる組織を動かす人のマインドセットを変えること」と言っても良いと思っています。
つまり、JTC企業でのDX”推進”とは、「組織の内側にいる組織を動かす人のマインドセットに変化を促し続けること」であり、組織の内側の意識と行動の両方を変化させることで、①と②の変革が創出されていくと考えています。
- ちなみに、個人的には、「意識が変われば行動が変わる」よりも「行動をしなければ意識は変わらない」派です。
従って、現状維持バイアスが強く働くJTC企業では、事業部門の人達のマインドセットの変化をどうクリエイトしていくか、を仮説を立てながら、DX推進に挑むことがとても重要になってくると思います。
で、最近やってみていること
マーケティング手法の一つである”パーセプションフローモデル”を応用させて、DX推進組織が事業部門の人達のマインドセットに変化を促すもの(知覚刺激)によって、事業部門の人達のマインドセット(パーセプション)はどう変化するか、または意図的にどう変化させるか、の仮説をパーセプションフローモデル風に描いてみています。
なお、カスタマージャーニーマップとの違いは、対象とする人の行動が未来か、現在かの違いであり、パーセプションフローモデルは、現在の消費者の行動や認識を前提としつつ、これから起こるパーセプションの変化によって「未来の消費者行動」を描くものになります。
参考にした書籍は以下になります。
ただ最初は、いきなり未来の変化を描くことはとても難しく、自分達に最適そうなパーセプションの定義や粒度を探りながら、過去に実際に発生した事業部門とのハレーションや小さな成功体験を思い出しながら、過去に実際に起きたパーセプションの変化の前後関係と知覚刺激を言語化してみました。
パーセプションフローモデルを実際に作ってみて、自分なりに工夫した点やTipsは主に2つあったのでご紹介します。
DX推進において組織内のマインドセットの変化を意図的にクリエイトすることは大切とは思っているが、わざわざパーセプションフローモデルまで作る必要があるのか?と疑問を持つ方は多いと思います。
- 私自身もパーセプションフローモデルを作りながら、これを作って何に役立つのか?、作る手間以上に良いことが生まれるのか?を何度も考えていました。というか、本音をいうと感覚的に大事そう、役立ちそうな気がしてる程度の状況です。
- 最後に、そんな状況ではありますが、パーセプションフローモデルを描くことの目的を無理やり言語化して終わりにしようと思います。
- パーセプションフローモデルを描くことの目的としては、
- これから自分達(DX推進組織)が掲げるビジョンに向けて、意図的にクリエイトしたいマインドセットの変化を戦略的に折り込むことができ、事業部門と共に進んでいくDXの旅路を仮説を持って挑むことができるようになること。
- そして、仮説があることで自分達(DX推進組織)や事業部門を俯瞰して現在地を随時確認できるようになるため、DXの旅路で迷わなくなり、さらには検証しながら学びながら前に進むことができるようになること。
- パーセプションフローモデルを描くことの目的としては、
終わりに
最後まで読んでいただき有難うございました。
ここ1ヶ月くらいパーセプションフローモデルを苦戦しながら作成していたので、自身の振り返りも兼ねて、経緯や学んだことを記事に書いてみました。
ただ、自組織のなかでパーセプションフローモデルを作ることの優先度は一旦下げることになり、実はまだ作成途中の状況です。
というか、これには完成というものはなく、徐々に作り上げていくようなものな気がするので、日本の製造業のDXのモデルになるのを夢見て、日頃から少しずつ言語化していきたいなと思います。