tkchy blog

大手メーカー系JTCのプロダクトマネージャー。日々の仕事や自己研鑽で学んだことや、シンプルライフの実践などを記録していきます。

いい感じの目標設定ってなんだろう ~精神的対照と実行意図 ~

はじめに

メーカー系JTCでプロダクトマネージャーをしているtkchyです。

IPAの春季試験が一週間後と迫っている状況下で、子供の昼寝時間に重い腰を上げ、試験対策の勉強をしようとPCを開いたんですが、何故かこの記事を書き始めてました、、(笑)

で、今回は、目標設定の時期ということもあり、目標設定に関して最近学んだことや、個人的に思っていることをアウトプットしてみようと思います。

なお、以下の本から多くを引用しています。特に、「実行意図をともなう精神的対照(MCII)」あたり。

www.kinokuniya.co.jp

「目標設定における3つの戦略」とは

人が目標を設定するときに用いるとされる戦略は3つあり、うち2つはうまくいかないと言われています。

1つ目:「空想」

  • オプティミストは「空想」を好むという。
  • 到達したい未来を想像して、それに伴って起こるはずのあらゆる良いことをまざまざと思い描く戦略。
    • 例えば、賞賛や自己の満足、将来の成功など。
  • そうすることで、ドーパミン分泌の引き金となり、ポジティブな気持ちで目標に集中して取り組むことができるという。
  • が、もちろん、これだけでは実際の達成には繋がらないという。

2つ目:「思案」

  • ペシミストは「思案」を用いることが多いという。
  • ゴールに到達するまでの障害となりそうな事柄をすべて考える戦略。
  • 物事に集中できなくなり、目標に対して気を散らしてばかりとなり、実際の達成には繋がらないという。

3つ目:「精神的対照」

  • 「空想」と「思案」を組み合わせたもので、気持ちはポジティブな結果に集中しながら、途中の障害についても考える戦略。
    • この両方を行うことで、未来と現実に強い繋がりができ、望ましい未来に到達するために乗り越えるべき障害が浮かび上がってくるという。
  • 当たり前ですが、目標達成にはこの両方が必要不可欠とされるようです。
    • 確かに、「空想」といった楽観的な考えだけでは、物事の細かいことに気づけず、逆に、「思案」といった悲観的な考えでは、「あ~でもない、こ~でもない」とネガティブなことばかりを考えてしまい、物事が前に進まなくなることが多くあると思います。
    • 要は、この「空想」と「思案」の両方のバランスが重要で、ポジティブに物事をとらえ、ネガティブな要因を確認しながら、アジリティに改善していくといったことが成功するために必要となります。
  • で、成功する人は次で紹介する「実行意図をともなう精神的対照(MCII)」という手法をうまくとらえて、目標を設定し、実行につなげているようです。

「実行意図をともなう精神的対照(MCII)」とは

  • ニューヨーク大学の心理学者ガブリエル・エッティンゲンという方が主に研究されているもので、3つ目:「精神的対照」の次のステップとして”実行意図”まで作り出す手法です。
  • 具体的には、ある計画について「もし/ならば」という問答のかたちで障害とそれを克服する方法を考えることを言います。
    • 「もし〇〇な状況になったら、〇〇をする」、「Aの状況になったらBをする」と事前にルールを考えることで、習慣づくりのテクニックであるIf-thenプランニングと同様だと思います。
  • つまり、目指す場所に辿り着くための道に現にある障害のことを考えた上で、”実行意図”まで作り出すことで、目標達成に向けた自分のためのルールをつくることができ、成功率を高めることができる手法とされています。
    • 障害を想定してif-thenルールを立てると、決意を守り通せる可能性が高まることを意味していると思います。

ルール(実行意図)が機能する理由とは

  • 神経生物学上の理由があり、ルールを作ると、前頭前皮質を味方につけることができるという。
    • つまり、本能に突き動かされて反射的に働く脳の部位、要は怠惰な自分に対抗できるようになるようです。
    • なお、ルールは、意思力と同じではなく、メタ認知を利用した意思力の代用品である。欲求とその欲求に抵抗する堅い決意との間に起こる葛藤を回避できるようになるという。
  • ルールとは、構造であり、魅力的な刺激との対決に向けた準備となるもの、私たちの関心を他へ逸らすものである。そして、やがて欲求と同じくらい反射的に働くようになるらしいです。

で、個人的に思っていることを言語化

「空想」ドリブンで「思案」で目標のスコープを決めることが大切そう

  • 「空想」と「思案」の両方のバランスを図ることが大切とありましたが、特に目標設定時では「空想」から思考を開始させることが大切だと思っています。
  • 理由としては、
    • 「空想」から考えることで、究極的にありたい姿、いわゆるビジョンに近しいことを考えれるようになり、より視座が高く、より全体最適に繋がり、よりポジティブな感情を持てるようになると思います。
    • 一方で、最初から「思案」で考えてしまうと、現在地を基準に考えるようになり、結果的に可能性を制限してしまい、立てた目標は現実的で無難なものになりがちになる気がします。
  • 従い、目標設定時は、「空想」で究極的にありたい姿とは?、究極な成功とは?の解像度を上げ、「思案」で現実を直視しながら、究極的にありたい姿を見据えてどこまで近づけそうか等、目標のスコープを見極めていくやり方が個人的に良いと思ったりしています。

とはいえ、一番大切なの”環境”よりも”感情”のはず

  • 設定した目標の成功率を高めるための「実行意図をともなう精神的対照(MCII)」を紹介しましたが、とはいえ、目標を達成するために一番大事なのは、目標達成に向けた”気持ちの強さや熱意”という感情の部分だと思っています。
    • 上記の「空想」ドリブンにも繋がりますが、いかに「空想」の思考でポジティブな感情を抱くことができるかが重要だと感じることが多く、特にチーム活動の場合は、個人一人だけ感情を抱いていても意味がないので、いかに他のチームメンバにもワクドキをさせ内発的なモチベーションを生じさせるかがキーになってくると思います。
    • モンキー・D・ルフィーの「なりたいからなるんだ! 海賊王になるって俺が決めたんだからそのために戦って死ぬんなら別にいい!できるかどうかでなく、なりたいからなる。」と同じな気がします。
  • “感情”は推進力となる一方で、ポジティブな気持ちを常に維持することはできないので、そこで肝要なのが”環境”であり、怠惰な自分と葛藤をさせないような仕組みづくりをできるかが重要とある。で、その一つの手法として、「実行意図(ルール)」づくりという位置付けだと理解したりしました。

終わりに

前に読んだ以下の本にも目標設定に関して近しいことが書いてありました。

「お金」に最適化することは間違いであり、自分の興味に最適化する。つまり、自分にとって面白そうかどうかが一番大切。これは、現状の犠牲者にならないことを大前程とする。

文脈が違えど、良い目標かどうかの一番の判断軸は、その目標が面白そうかどうか、ワクドキするかどうか、なのかもしれないなと思っています。

www.kinokuniya.co.jp

そして、本記事で紹介した”実行意図”をセットで作り出すことで、人間の怠惰に負けないように手を打つことができるのかな、と。

最後まで読んでいただき有難うございました。

最強の読書術である”コンセプトマップ”をやってみた、で、どうだったか

はじめに

こんにちは。

メーカー系企業でプロダクトマネージャーをしているtkchyです。

2児の父である私ですが、最近はまだまだ落ち着く気配もない2歳半年の長男と、どんどんと手がかかるようになっている生後6ヶ月の次男の育児で、過去最高にプライベート(家庭)が大変で忙しくなりつつある一方で、負けじと習慣化などで自分を奮い立たせている今日この頃です。

それでは本題に入りますが、最近は、主に以下二つの理由から、人生史上最多のペースで本を読んでいます。

  • 昨年の後半頃から、自組織のプロダクト戦略的なことを考えることが多くなったこともあり、「センスは知識から始まる」という本のタイトルの通り、まずは普通を知るためにたくさんのことをインプットする必要があったこと。
  • 仕事とプライベート(家庭)を両立させていくために、QoLシンプルライフをより向上していきたい気持ちがあり、認知行動学や心理学についての興味が湧いていたこと。

で、ぶち当たっていた問題が、”本を読んでも記憶に残らない問題”です。

読み終わった後にどういう本だったかを他人に説明ができないだけではなく、読んでいる最中に、この知識は絶対に覚えておきたい!というところですらよく忘れてしまっていました。

この問題を改善するために、記憶に残る最強の読書術と言われている”コンセプトマップ”を実際にやってみましたので、やってみてどうだったか?について本記事でご紹介できればと思います。

コンセプトマップとは

  • マインドマップの亜種と呼ばれているもので、最も記憶に残りやすいノートの取り方と言われており、本を読みながらコンセプトマップを作成すると理解度が大幅に向上するとの研究結果があるようです。
  • 本に書いてある知識や概念等の情報をただ羅列して記録するのではなく、情報同士の繋がりを意識しながら、情報を線で繋いだり枝分かれさせながら関係性をマップ上に描く方法になります。
  • マインドマップやコンセプトマップは、作成することで必然的に自分との関連性が高まり、パーソナルレリバレンス(自分事にすること)に強く繋がることになるので、記憶の定着に大きく寄与するみたいです。

で、どのように作ったか

  • 年明けから読み始めた本5冊は、オンラインホワイトボードツールであるmiroで実際にコンセプトマップを作りながら、本を読み進めてみました。
    • 実際に作ってみたコンセプトマップは添付の通りになります。プロダクト戦略(仕事)に関係のない本ばかりでちょっとアレですが、、、笑

  • コンセプトマップをどの段階で作成するかについては、色々なやり方を試してみましたが、チャプター毎だったりで目次を最初に確認して3〜4分割し、それぞれをイテレーションで「本を読む⇄コンセプトマップ化」を行き来して読み進めていくやり方が個人的には一番合ってました。
    • 具体的には、
      • 本を読むときは、kindleのハイライト機能やメモ機能を使って、覚えておきたい概念や知識だったり、思ったことを記録しておきます。
      • で、区切りのところまで来たら本を読むのを辞め、ハイライトした部分やメモ書きしたことをmiroの付箋に書き出していきます。
      • で、付箋同士の関係性を線や矢印で表現しながら繋げていき、特に重要だと思うところは付箋の色を変えたりしています。
  • 気をつけるべきポイントは、あれもこれもと冗長的なこと全てを書き写して付箋を多くしすぎないことで、情報の本質的な部分のみを抽出するように意識して、コンセプトマップをシンプルにすることが大切だと思っています。
  • また、基本的には本文を付箋にそのまま書き写していく形になりますが、できるだけ自分コンテキストに合わせて読み替えて、自分なりに文書化して付箋に書き出していくことで、頭の中が整理でき理解が深まることが多かったです。
  • 重要なポイントとしては、コンセプトマップに決まったやり方やルールなどはなく、”自分なりのノート”だと意識して、自分なりにアレンジを加えることが何よりも大切なように思います。
  • 最後に、コンセプトマップの作成にどれくらいの労力が掛かったかについては、私の場合は1冊の本を読み終えるのに通常3~5時間程度ですが、上記のコンセプトマップを作りながら読み進めた場合は+2時間程度でした。
    • ただ、miroは仕事で使い慣れていたり、概念的思考やビジュアル思考は少しだけ得意領域でもあるので、もしかしたら+2時間は速い方かもしれないです。

で、作ってみてどうだったか

読破感がハンパない

  • 繰り返しますが、とにかく読破感がハンパないです。読後感もすごく気持ちが良いです。
  • これまで”読了”というワードを自信を持って使えていなかったですが、ダニングクルーガーでいう「完全に理解した」に近しいくらいの自信を持つことができるようになりました。(ちょっと表現がよくないかもですが、、)
  • この読破感や気持ちよさを得られるのであれば、多少時間をかけてでもコンセプトマップを作成する価値はあると思います。

記憶力と検索性が爆上げ

  • 人間の記憶の処理プロセスは、以下の3段階で説明することができるようです。
    • ①符号化:意味付けをして覚えること
    • ②貯蔵:保持し続けること
    • ③検索:情報を引き出すこと
  • ①符号化段階では、コンセプトマップを作成することで、自分なりに情報を理解しやすい意味の塊に変換する事になり、限界のある短期記憶の容量をより効率的に使う事ができるようになったと思います。
  • ②貯蔵段階では、人間はただ得た情報を貯蔵するのではなく、既存の知識と紐付けて貯蔵されているようです。従い、似た情報同士が関連付けられ、一般化や抽象化をすることで構造化された形の方が記憶がされやすいため、コンセプトマップはまさにそのプロセスを担うことになるので、長期記憶により貯蔵することができると思います。
  • ③検索は、長期記憶に貯蔵されている情報を引き出す段階になります。読み終わった後も本に書いてあった知識や概念を構造で捉えることができ、簡単に引き出すことができるようになったと思います。忘れたとしてもコンセプトマップを確認すれば一瞬で検索でき思い出すことができるようにもなりました。

構造化や図解力が鍛わる

  • コンセプトマップは、本文にある具象や抽象な情報など、粒度が様々でたくさんの情報同士の関係性を読み解く必要があり、それらを出来る限りMECE(ミーシー)にしつつ、さらにロジカルでナラティブになるように、線を繋げながら構造を与えていくことを意識して作成することが必要になると思います。
  • 従い、システム思考や概念的思考、ビジュアル思考など、仕事で役立つ分析的思考や問題解決のコンピテンシーを強化することができ、もはや筋トレに近いものがあると思います。

終わりに

最後まで読んでいいただきありがとうございました。

私の場合は、コンセプトマップの作成は全く苦痛にはならず、逆に、情報を集めて整理したり、意味を理解することにワクワクして没頭してしまう側の人間なので、もしかしたら本記事でご紹介した内容が役に立たないことが多いかもしれません。

実は、今回の記事で書ききれなかったことも多くあるので、次の記事で続きを書こうと思っています。具体的には、「コンセプトマップを読書以外にも応用してみた。でどうだったか」や、「私が考える”最強の読書術”」あたりの内容です。

ではでは〜!!

MVPの失敗談 ~要件定義編~

はじめに

大手メーカーJTCでプロダクトマネージャーのtkchyです。

最近、要件定義で初歩的なことでやらかしてしまったので、反省の意味を込めて本記事を書くことにしました。

やらかしてしまった原因や改めて学んだことを書いてみたいと思います。

どういう文脈か

  • 現在、エンドユーザー向けに2つのプロダクトを提供しています。
  • これまでは、各プロダクトの提供価値の領域が異なり棲み分けが明確だったんですが、双方のプロダクト(対象とする課題仮説の範囲)が大きくなるにつれ、各プロダクトが対象とする課題仮説の範囲も徐々に近づきつつある状況でした。
  • そこで、ビジョンに向けたプロダクト戦略として、この2つのプロダクトを連携することで新たなユーザー価値や事業収益を創出することが、最優先の取組み事項となり、昨年末から要件定義を開始することになりました。

で、改めて学んだこと

① WhyがWhatやHowの意思決定の軸になること

  • プロダクト戦略に沿った活動であったこともあり、プロダクトの連携によって創出される価値、いわゆるWhyの部分は既にチーム内で共通認識がなんとなくは図れていると思い、Whyはほとんど言語化せずに、何を作るか?どう作るか?のWhatとHowからいきなり検討を開始しました。
    • もちろん、Whyの言語化の必要性は理解しており、並行しながら言語化していこうと思っていました。
  • しかし、ユースケース図を作成しながら、何を作るか?のWhatの幅が固まりつつある状況で、WhatとHowの深さ方向(機能の実現度合い)を決めていく段階の意思決定で壁にぶつかりました。というか、Whyの軸がないと、どの深さで作るかの判断は不可能であることに気づきました。
  • そもそも何を達成するためか?、どの仮説を検証するために作るのか?といったWhyの軸がない限り、下図のピラミッドで表現されるMVP(Minimum Viable Product)を決める上での頂点にある”価値がある”の軸が存在しないことになります。
    • 従い、”価値がある”の軸がなければ、ソリューションをどの広さで、どの深さで作るか、を決めることはできないはずです。
    • 本来、”価値がある”を実現するために、どこまで”機能的である”必要があるかを決めるべきであり、これはピラミッドの”価値がある”より下にあるレイヤーはすべてそれが該当すると改めて理解することができました。

② WhatとHowの深さ方向は”二項対立”ではなく”二項動態”であること

  • 例えば、「速く移動できる」というユーザーストーリーのHowの深さ方向として「スケボー」や「自転車」、「車」と複数の機能の実現度合いがあると思います。
    • それらは二項対立な関係性ではなく、「スケボー」の延長線上として、より速く移動することができる「自転車」があり、さらに速く移動することができる「車」がある、という二項動態な関係性であると思います。
    • アジャイル開発の本質は、まずは「スケボー」を作り、ユーザーに使ってもらいながら、単純により速くすることが必要だと判断できれば「自転車」や「車」を作っていく。また、より速くすることではなく、より大人数が移動できるようにすることが作っていく過程で必要だと分かれば、車ではなくトラックを最終的に作っていく流れになるかと思います。
  • で、今回の反省点としては、「スケボー」と「自転車」を二項対立なものとしてユーザー価値(主にユーザービリティ)と開発工数や拡張性の観点からProsConsの比較評価を行い、相対的に判断をしようとしてしまったことです。
    • 「より速く」なのか、「より大人数」なのかの”価値がある”の軸が明確でなかったことも、そのような検討の進め方をしてしまった原因の一つだと思っています。
  • ”価値がある”を実現するためにどこまで”機能的である”必要があるか、Whyに対してWhatやHowの深さ方向は二項動態な関係性であることを改めて認識することができました。
    • というか、二項対立な関係性なものって突き詰めていくと、実は全て二項動態な関係だったりするのかなと思ったりしました。

終わりに

プロダクトマネジメントの基本中の基本的なことをただ単に怠り、やらかしてしまっただけなので、自戒の念をこめて反省点をアウトプットしただけの内容になっていますが、何事も理論より実践の方がレベチで難しいなぁと本記事を書いてみて改めて感じました。

プロダクトマネージャーだけに限らないとは思いますが、覚えた理論をどれだけ実践したかがプロダクトマネージャーとして成長する人としない人の差になってくると思うので、とりあえずやってみるという精神で、どんどん実践していきたいなと思います。

JTC企業でのDX推進の本質はパーセプションチェンジ・クリエイト。で、最近やってみていること

はじめに

大手メーカー系のJTC企業のDX推進の専門組織で、エンドユーザー向けWebアプリケーションのプロダクトマネージャーをやっているtkchyです。

具体的には、出島戦略型のDX組織で、複数の事業部門のDX推進を支援しており、その事業部門のお客様であるエンドユーザー向けにプロダクト開発を行っています。

今回はそのような組織のなかで、JTC企業のDX推進に取り組んでいる私自身の経験を踏まえ、JTC企業のDX推進において大切だと感じていることと、最近やってみていることを簡単に書いてみようとと思います。

JTC企業でのDX推進の本質とは

  • 特にJTC企業では、未知のモノやコト、変化を受け入れず、現状維持を望む心理作用である、現状維持バイアスが強く働くと思います。

    • 長い年月や過去の成功体験から、成功するよりもいかに失敗しないかのカルチャーが強く残っており、損失や失敗を回避する行動をとるコンピテンシーを持つ人が多いからだと思います。
    • また、保有効果により現在使用しているものだったり、業務のプロセスやビジネスモデル等の今のやり方への価値を高く感じていたり、デフォルト効果で慣れ親しんだものを高く信頼する傾向があると思います。
  • JTC企業に限らず、そもそも、DXでは2つの変革が必要と言われています。

    • ①提供価値の変革
    • ②組織の変革
  • ②の”組織の変革”はまさにですが、①の”提供価値の変革”についても、組織の外側に変革した価値を提供し続けるためには、「組織の内側を変える」ことが必要不可欠です。

  • JTCでのDXとは、「組織の内側を変えること」であり、さらには「組織の内側にいる組織を動かす人のマインドセットを変えること」と言っても良いと思っています。

  • つまり、JTC企業でのDX”推進”とは、「組織の内側にいる組織を動かす人のマインドセットに変化を促し続けること」であり、組織の内側の意識と行動の両方を変化させることで、①と②の変革が創出されていくと考えています。

    • ちなみに、個人的には、「意識が変われば行動が変わる」よりも「行動をしなければ意識は変わらない」派です。
  • 従って、現状維持バイアスが強く働くJTC企業では、事業部門の人達のマインドセットの変化をどうクリエイトしていくか、を仮説を立てながら、DX推進に挑むことがとても重要になってくると思います。

で、最近やってみていること

  • マーケティング手法の一つである”パーセプションフローモデル”を応用させて、DX推進組織が事業部門の人達のマインドセットに変化を促すもの(知覚刺激)によって、事業部門の人達のマインドセット(パーセプション)はどう変化するか、または意図的にどう変化させるか、の仮説をパーセプションフローモデル風に描いてみています。

    • なお、カスタマージャーニーマップとの違いは、対象とする人の行動が未来か、現在かの違いであり、パーセプションフローモデルは、現在の消費者の行動や認識を前提としつつ、これから起こるパーセプションの変化によって「未来の消費者行動」を描くものになります。

    • 参考にした書籍は以下になります。

amzn.asia

  • ただ最初は、いきなり未来の変化を描くことはとても難しく、自分達に最適そうなパーセプションの定義や粒度を探りながら、過去に実際に発生した事業部門とのハレーションや小さな成功体験を思い出しながら、過去に実際に起きたパーセプションの変化の前後関係と知覚刺激を言語化してみました。

    • 例えば、過去にアジャイル開発を適応させて事業部門の人たちと共に行っていくなかで、マインドセットの違いにより、合意形成の仕方やドキュメントの公式レベル等の認識の不一致により、事業部門の人たちとのハレーションが幾度と起こったことがあり、そういった過去の体験をもとにまずはパーセプションを言語化していきました。
  • パーセプションフローモデルを実際に作ってみて、自分なりに工夫した点やTipsは主に2つあったのでご紹介します。

    • 1つ目は、パーセプションの言語化においては、物事をどう見ているか等、自分自身ではなく他人の、又は対象とする組織の認識や考え方、メンタルモデルを想像しながら書くことになります。その際、現状維持バイアス等の変化への阻害要因の観点も含めることや、粒度よりもリアリティさを重視して言語化することが大切だと感じました。
    • 2つ目は、パーセプションフローモデルの型に従って一列にフローを描く必要はなく、パーセプションの種類毎にフローを描くことで、対象とするパーセプションの前後関係がより明確になりました。具体的には、BTCとDX組織との関係性の4つの観点に分けて描きました。
  • DX推進において組織内のマインドセットの変化を意図的にクリエイトすることは大切とは思っているが、わざわざパーセプションフローモデルまで作る必要があるのか?と疑問を持つ方は多いと思います。

    • 私自身もパーセプションフローモデルを作りながら、これを作って何に役立つのか?、作る手間以上に良いことが生まれるのか?を何度も考えていました。というか、本音をいうと感覚的に大事そう、役立ちそうな気がしてる程度の状況です。
  • 最後に、そんな状況ではありますが、パーセプションフローモデルを描くことの目的を無理やり言語化して終わりにしようと思います。
    • パーセプションフローモデルを描くことの目的としては、
      • これから自分達(DX推進組織)が掲げるビジョンに向けて、意図的にクリエイトしたいマインドセットの変化を戦略的に折り込むことができ、事業部門と共に進んでいくDXの旅路を仮説を持って挑むことができるようになること。
      • そして、仮説があることで自分達(DX推進組織)や事業部門を俯瞰して現在地を随時確認できるようになるため、DXの旅路で迷わなくなり、さらには検証しながら学びながら前に進むことができるようになること。

終わりに

最後まで読んでいただき有難うございました。

ここ1ヶ月くらいパーセプションフローモデルを苦戦しながら作成していたので、自身の振り返りも兼ねて、経緯や学んだことを記事に書いてみました。

ただ、自組織のなかでパーセプションフローモデルを作ることの優先度は一旦下げることになり、実はまだ作成途中の状況です。

というか、これには完成というものはなく、徐々に作り上げていくようなものな気がするので、日本の製造業のDXのモデルになるのを夢見て、日頃から少しずつ言語化していきたいなと思います。

駆け出しのプロダクトマネージャーが、約2年間で計15個の資格を取得した本当のワケ

はじめに

こんにちは。

大手メーカ系企業でエンドユーザー向けWebアプリケーションのプロダクトマネージャーをしているtkchyです。

比較的難易度の高くない資格が多いですが、約2年間で計15個と、短期間で多くの資格を取得することが出来ました。 ついては、なにを取得したかを簡単に紹介させていただき、なぜ多くの資格を取得したのかをメインで書いてみようと思います。

なにを取得したか

IT全般

セキュリティ系

  • 情報セキュリティマネジメント試験

クラウドサービス系

  • AWS Certified Cloud Practitioner
  • Google Cloud Certified Cloud Digital Leader
  • Azure Fundamentals

スクラム開発系

  • Certified Scrum Product Owner

UML

  • UMTP L1
  • UMTP L2

kintone系

  • kintone Certified Associate
  • kintone Certified App Design SP

AI系

  • G検定

プロジェクトマネジメント系

  • PMP(Project Management Professional)
  • プロジェクトマネージャ試験

サービスマネジメント

電気系

  • 第三種電気主任技術者
    • ※IT業界に入る前に取得。前職がエンジンや発電装置メーカの技術職だったこともあり。

なぜ多くの資格を取得したのか

資格を取得する理由や目的はたくさんあると思います。一般的な回答はChatGPTにお任せするとして、今回は、自身経験を踏まえて、資格取得の内発的動機(モチベーション)になっていたことを振り返って共有してみたいと思います。

①ITの世界とその広さを知るため

  • 2年前の私はIT未経験&IT知識ゼロでありながらIT業界に飛び込み、ゼロからのスタートでした。
  • サーバー?ブラウザ?クラウド?データベース?ネットワーク?といった超初歩的なIT用語も全く理解出来ておらず、周りが何も見えない真っ暗闇な世界にいるかのような恐怖感を当時はずっと抱いていました。
  • 業務に役立つかどうかはわからないけど、まずはITを浅く広く学んでITの世界の全体像を把握したい。特に資格だと体系的に学べて、視界が晴れてくるはず、と目の前の圧倒的恐怖感をとにかく軽減したかったことが初期の一番のモチベーションだったと思います。

②自分がこれから登る山を見つけるため

  • ハイキングをするかのように、比較的簡単な資格を幅広く取得してみると、少しずつITの世界がひらけてきて、そこにはたくさんの多種多様な山々があることが分かってきました。
  • すると、自分がこれから登るべき山はどれなのか?、登りたい山はあるのか?、と、今後自分が挑戦したいこと、成し遂げたいこと、楽しめそうな道を探すことに徐々にモチベーションは変わっていきました。
  • 面白そうな山を見つけたら、2~3合目あたりまで登ってみて、その山の高さを確かめにいくかのように、資格を活用しながら学ぶようになっていました。
  • 最近は次第に、資格やITの勉強に限らず、読書をしたり、ブログをみたり、カンファレンスに出席したり、さらには心理学を学んでみたり、目星をつけた山を登るために最適そうな手段を見極めた上で学ぶようになりました。
  • ただ、最近感じつつあることは、自分の登るべき山はそこかしこに無限にある、ということで、自分が登るべき山は一つではなく、山登りの旅に終わりは無いのかもしれないなぁと思っています。

終わりに

最後まで読んでいただき有難うございました。

「これを学んで何に役立つのか?」「資格を取得して業務に役立つのか?」と思う方もいるかもしれません。確かにその通りで、役立たないことばかりかもしれません。

ただ、学びの始点においては自分が何をしたいのか、何になりたいのかはわからない。学んだあとに、事後的・回顧的にしか自分がしたことの意味はわからない。ということをこの2年間で多くの資格を取得してみて学んだことの一つでもあります。

学ぶ理由や学ばない理由を探すのではなく、とりあえず学んでみる。という姿勢で、終わりなき山登りの旅を今後もし続けていきたいと思います。

Udemy Businessをフル活用して、PMPに合格した体験記

はじめに

こんにちは。

今回は、Udemy Businessをフル活用して、昨年の8月にPMP試験に合格することができましたので、PMP試験の概要やPMP取得までの道のりをご紹介させて頂きます。

私事ですが、昨年の9月頭に次男が生まれ、プライベートがさらに忙しくなり、勉強時間の確保が難しくなる前までになんとか取得せねば、という気持ちでなんとか合格することができました。

PMPとは?

PMP(Project Management Professional)とは、プロジェクトマネジメントの専門家であることを証明する資格で、米国のプロジェクトマネジメント協会であるPMIが、PMBOKガイドに基づいて認定する国際資格です。

詳細は、以下のUdemyの記事を見ていただければと思います。

PMPの2つの受験資格をどうクリアしたか

PMP試験を受験するためには、以下2つの受験資格を満たす必要があり、PMP取得のハードルが高い理由になっています。

1つ目: プロジェクトマネジメント経験の証明

  • PMP試験の1つ目の受験資格として、一定期間のプロジェクトマネジメントの経験が必要となります。詳細の条件は上記のPMPに関する記事を参照いただければと思います。
  • 受験資格として認められる条件を満たした上で、経歴を英語で書き、申請しなければなりません。私の場合は、条件を満たすために2つのプロジェクトマネジメント経験の期間を足す必要があった為、2つのプロジェクト概要を英語で書きました。(英語が得意な妻と、Google翻訳に頼りまくりました)

2つ目: 35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講

  • PMP試験の2つ目の受験資格として、35時間の公式トレーニングを受講する必要があります。費用は、リアルタイムやオンデマンド形式であれば10〜25万円、e-Learning形式であれば2〜5万円と、様々な公式トレーニングがあります。
  • Udemy Business会員である私はなんと、以下のUdemyの公式トレーニングを無料で受講することができ、受験資格をゲットすることができました。
  • ただし、こちらのコースは日本語に対応していないので、ある程度英語力が必要かもしれません。なお、英語字幕を出すことができたので、聞き取れなくても字幕を追ってなんとか内容を理解することができました。

PMPの受験申請時の監査対応をどうしたか?

  • PMPは、受験申請時にランダムに監査対象になります。PMIが、PMP受験者に対して、「本当に受験資格を満たしているか?」といったことを一定の確率で監査しています。
  • ネット情報では、選ばれる確率は10〜20%とにあったので、運は良い方だし自分は引っ掛からないだろうと思っていましたが、見事、監査対象に選ばれました。
    • 受験申請ボタンを押した瞬間に、「Your application has been randomly selected for the PMI audit process」と表示されたので、英語で書いた申請内容は関係ないと思います。
    • 後述しますが、PMIの監査プロセスが数ヶ月前にデジタル化されており、現在は選ばれる確率がかなり高くなっていると思います。
  • なお、監査対象となった場合は、以下の3つのエビデンス資料をPMIへ提出する必要があります。
    1. 卒業証明書
    2. 35時間の公式プロジェクトマネジメント研修の修了証
    3. プロジェクトマネジメント経歴書の第三者(上司)の署名
  • 従来は、エビデンス資料を紙で纏めて海外へ郵送する必要がありましたが、数ヶ月前にPMIの監査プロセスがデジタル化されており、かなり楽に対応することができました。
    • 1.と2.の証明書や修了書は、写しをアップロードするだけ。3.の第三者の署名は、上司のメールアドレスを入力するだけ。(→上司へDocusign上での電子署名の依頼が飛ぶようになっており、前の職場の上司と現在の上司に一瞬で対応して貰えました)
  • 結果、監査対象に選ばれてから、1日以内でエビデンス資料を全て提出し、監査対応を完了することができました。2〜3日後に、監査は無事通ったとの連絡があり、PMPの試験日時を決めました。

PMP試験の勉強をどうやったか?

前情報

  • PMBOKガイドを読むのは初めて
  • 約2年間のアジャイルプロジェクト(Webアプリケーション開発)のPM経験あり
    • 具体的には、スクラム開発におけるプロダクトオーナーの経験

勉強時間

  • 2〜3ヶ月間で、約100時間
    • 上記でご紹介した35時間の公式研修(Udemy Business)を含め

どう勉強したか

  1. 「敵を知り、己を知る」

    • まず最初に、敵を知るため、Udemy Businessで以下の講座を受講し、PMBOKPMP試験の概要と全体像を理解しました。
    • 次に、己を知るために、Udemy Businessで以下の講座を受講し、実際の試験問題を解いてみて、合格までの距離感と自分に知識が足りていない領域を確認しました。
    • 結果、アジャイルのマインドや哲学、ツールや技法についての理解や知識は現時点で必要十分と判断し、勉強時間のほとんどを予測型アプローチ(ウォーターフォール)の勉強に時間を当てることにしました。
  2. 「質より量で鍛える」

    • エビングハウス忘却曲線からも分かる通り、特に資格の勉強においては、質よりも量(繰り返し・復習)が大事だと個人的には思っています。なので、私の場合は、演習問題を解くときはとにかくスピードを優先し、解答を見てもいまいち理解できなければ臆せず飛ばす。また、Udemy等の動画で学習するときは、最低2倍速で見る。Chrome拡張機能を使えば、2倍速よりもさらに高速にすることができます。
    • PMP試験では、実践的なシナリオ問題がほぼ出題されるため、ガイドや参考書を読み込んで暗記しても全く意味がないため、問題集をひたすら繰り返し解きまくりました。
    • 上記でご紹介したUdemy Businessの講座に含まれる演習問題に加え、以下の豆検の問題を利用しました。
    • 気になるところがあった時は、辞書的にPMBOK 第6版ガイドを見て理解を深めました。

試験当日

  • PMPの試験は、230分で180問(休憩は10分×2回)とかなりの長期戦になります。自宅受験も選択できましたが、安全をとってテストセンターでの受験にしました。
  • シナリオ系の問題をひたすら解くことになるので、集中力を維持するのが難しく、結果的に見直す時間はほとんどありませんでした。
  • 50%以上はアジャイル系の問題が出題されており、アジャイルの深い部分まで理解できていないと間違えてしまうような問題が結構あったので、なかなか難易度は高いと感じました。

試験結果

  • 試験後すぐに試験結果が表示され、無事に合格することができました。
  • テストレポートには、「Above Target」とあったので、合格ラインを超過した点数で、余裕を持って合格することができていました。

終わりに

最後まで読んでいただき誠に有難うございました。

今回、Udemy Businessをフル活用して、PMPを取得することができた私の体験記をご紹介させて頂きました。 プロジェクトマネジメントやPMP取得に興味がある方に少しでも参考になって頂ければ幸いです。

なお、昨年末に、IPAのプロジェクトマネージャ試験にも合格し、二大プロジェクトマネジメント資格を制覇することができましたので、そのうち記事を書ければと思っています。

DX人材を目指す方に、UMTPをオススメするワケ

はじめに

直近2年間で、主にIT系の資格をアホみたく15個くらい取得しましたが、なかでも自身の血肉になってるなぁと感じるのは、今のところはダントツでUMTP認定試験です。

今回は、なぜUMTPがオススメなのか、どういった方にオススメなのかを少し言語化してみようと思います。(先日上司から、PM系人材の育成に力を貸して欲しいと言われたので、今のうちに頭の中を整理しておこうと思い)

UMTPとは

  • UMTP/JAPAN 特定非営利活動法人UMLモデリング推進協議会」が主催している、UMLの理解、モデリング能力が問われる試験になっています。
  • 求められるレベルは、それぞれのレベルで異なっており、公式サイトの説明では次のようになっています。

    • UMTP L1:UMLなどを使ってモデリングを行う最低限の知識を持っている。
    • UMTP L2:UMLモデルの読み書きが普通にできる。 開発範囲の一部を担当し、モデリングができ、他者のモデルの意味を理解できる。
    • UMTP L3:実務でモデリングが実施できる ・拡張性や変更容易性などの点で高品質なモデルを定義できる。 ・特定分野の専門的な知識を備えている
  • 詳しく知りたい方は以下の記事がオススメ。

mongolyy.hatenablog.com

なぜオススメなのか

①BizとDevとの共通言語を覚えられる

  • 仕事で発生する問題やトラブルの火種のほとんどは、人の勘違いや認識や解釈の不一致だと思います。特にそれが顕著なのは、ビジネスサイド(Biz)と開発サイド(Dev)の境目だと思います。
  • その理由は単純で、BizとDevが見ている視点(視座も視界も)が大きく異なっているためです。
  • こういった場合はまず、インセプションデッキ(プロジェクト憲章)やプロダクトゴールの言語化を行って、お互いが見る方向のベクトルを合わせることが最も有効だと思います。
  • ただそれだけで全ては解決されず、WHYからWHATやHOWに近づくほど、共通認識を図ることが難しくなり、事後的にたくさんの問題が襲ってきた経験もあります。
  • そういう場合に有効な手法は多くあると思いますが、その一つとして、”UMLを議論の中心に置くこと”で、”会話のプロトコルを合わせること”です。
  • UMLは、Biz側も記法を少し知るだけで右脳で比較的楽に理解して貰え、かなり細部まで認識を揃えることができると思っています。
  • そして、要件定義フェーズからUMLを使っていれば、スムースにDevと一緒にシステム設計フェーズに突入できる利点もあると思います。

モデリングの思考プロセスを鍛えれる

  • UMTPをおすすめする一番の理由はやはり、UMLの理解を通して、モデリングの概念やその思考プロセスを学べるところだと思います。
  • モノやコトを意識的に抽具視点で認知したり、構造で捉えられる人って思っているより少ないと感じていますし、私もまだまだ筋トレ中です。
  • この思考プロセスは、仕事での適用範囲が思っていたよりもかなり広く、ITに限らず、多種多様なところに応用を効かせることができています。
    • 例えば、顧客インタビューやヒアリングで得た情報を構造化して洞察するときや、拡散的思考が必要となる場のファシリテーションをするときなどが挙げられます。

だれにオススメなのか

  • 特に上記②の思考プロセスを鍛えられるという意味では、ジェネラリストを目指す方には特にオススメできる資格だと思っています。
    • なぜかというと、単に知識が広く浅くということではなく、物事を俯瞰的に捉えてある領域に依存しない抽象レベルの概念を操れることがジェネラリストの真髄だからです。
  • さらには、リスキリングを通じて、これからDX人材に近づきたいと考えている人達にもオススメできる資格だと思っています。
    • 理由としては上記にも繋がりますが、私含め、そういう人達の目指すところは、エンジニアやデザイナーなどのスペシャリストの方向ではなく、どちらかというとジェネラリスト寄りだと思います。
    • 最近、リスキリングとして、特定のプログラミング言語だけを特に目的なく勉強してる方が多い印象があり、とにかく学んでみるという姿勢はとても良いことだと思っています。
    • ただ、『「プログラミングを覚えればIT業界で活躍できる」は「英語を話せればアメリカで活躍できる」って言ってるのとだいたい同じ』とどっかのTwitterで書かれているように、英語が話せれなくてもアメリカで活躍できてる人は多いぞ、ということだけ間接的ではありますが、私の今の見解を書いておわりにしようと思います。

おわりに

あまり言い過ぎると、L1とL2だけではなく、L3まで取得しなよ。って同僚あたりから突っ込まれそうなので、多言は控えておきます。笑

最近はblog記事を全く書けていなかったので、今年は質(インプット)より量(アウトプット)を優先して、発信を続けていければと思っています。